仮想通貨を購入したり売却したりするためには、「仮想通貨取引所」を利用する必要があります。
ニュースや広告で名前を聞くことはあっても、
「どんな仕組みで取引が行われているの？」「株やFXと何が違うの？」
と疑問を感じる初心者は多いでしょう。
仮想通貨取引所は、ビットコインなどの暗号資産を自由に売買できる「市場」のような存在です。
しかし、取引所には複数の種類があり、手数料や購入方法も異なります。
さらに、セキュリティ対策や取り扱う通貨の種類はサービスによって大きく差があるため、まずはその仕組みを正しく理解することが重要です。
この記事では、仮想通貨取引所の基本的な仕組みから、種類の違い、口座開設の流れ、初心者が注意すべきポイントまでをわかりやすく解説します。
この記事を読み終える頃には、「どの取引所を選び、どのように開始すれば良いのか」が理解でき、安心して最初の一歩を踏み出せるようになります。
仮想通貨取引所とは何か？
仮想通貨取引所とは、ビットコインやイーサリアムなどの暗号資産を売買するための「市場」の役割を持つサービスです。
ユーザーは口座を開設し、日本円を入金することで、仮想通貨を購入したり売却したりできます。
株式でいう証券会社、FXでいうFX業者に近いサービスだとイメージするとわかりやすいでしょう。
仮想通貨取引所と株式取引所の大きな違いは、管理主体です。
株式取引所は国や金融機関が厳しく管理していますが、仮想通貨は「分散型」の資産であるため、取引所ごとにサービス内容や手数料、取り扱い通貨が大きく異なります。
そのため、利用者自身が信頼できる取引所を選ぶことが特に大切になります。
また、仮想通貨取引所には 国内取引所 と 海外取引所 の2種類があります。
国内取引所は金融庁に登録されており、日本円で入金でき、サポート体制も整っているため初心者向けです。
一方、海外取引所は取り扱い通貨が豊富で手数料も低い傾向がありますが、日本語サポートが弱く、法的な保護も受けにくいため注意が必要です。
仮想通貨取引所の仕組み
仮想通貨取引所には、大きく分けて 取引所形式 と 販売所形式 の2種類の仕組みがあります。
どちらも仮想通貨を購入するサービスですが、取引方法や手数料が異なるため、仕組みを理解して使い分けることが必要です。
取引所形式とは？
まず「取引所形式」は、ユーザー同士が売買を行い、それを取引所が仲介する仕組みです。
購入したい人と売りたい人の希望価格が一致した時に取引が成立します。
そのため、市場の状況に応じて「より良いレート」で売買できる可能性が高く、手数料も比較的安いのがメリットです。
仮想通貨をできるだけ有利な価格で取引したい場合は、取引所形式を選ぶのがおすすめです。
販売所形式とは？
一方「販売所形式」は、取引所（運営会社）とユーザーが直接売買する仕組みです。
取引相手を探す必要がないため、ボタンひとつで即購入・即売却ができ、初心者でも分かりやすいのが特徴です。
ただし、販売所が提示する価格には運営側の利益（スプレッド）が上乗せされているため、手数料が実質的に高くなりやすい点には注意が必要です。
「まずは少額で買ってみたい」という初心者が利用することが多い形式です。
取引所形式と販売所形式どちらがオススメ？
取引所形式と販売所形式の大きな違いが「手数料」です。
取引所形式では売り手と買い手が直接価格を提示し合うため、手数料が比較的安く済む傾向があります。
一方、販売所形式では運営会社が提示する価格に上乗せされた「スプレッド」が実質的な手数料となるため、購入価格が高く、売却価格が低くなりやすいというデメリットがあります。
そのため、将来的に取引量を増やしたい場合は、取引所形式を中心に利用するのがおすすめです。
口座開設から取引開始までの流れ
仮想通貨の売買を始めるには、まず仮想通貨取引所で口座（アカウント）を開設する必要があります。
基本的な流れは、どの取引所でもほとんど共通しており、オンライン上で手続きが完結します。
スマホだけでも簡単に始められるため、初心者でも迷うことはありません。
本人確認（KYC）の必要性
このとき注意すべきなのは、口座開設時に必ず 本人確認（KYC） が必要になることです。
これは、資金洗浄対策（マネーロンダリング防止）や犯罪防止の観点から、法律で義務づけられている手続きです。
手続自体は、身分証明書があれば誰でも簡単に実施することができます。
スマホのカメラで、運転免許証やマイナンバーカードを撮影して提出するだけで完了し、多くの場合は 最短当日で取引可能 となります。
日本円の入金
本人確認が完了したら、日本円を取引所へ入金します。
一般的な入金方法としては、銀行振込・即時入金・コンビニ入金 などがあり、取引所ごとに対応状況が異なります。
特に「即時入金」は手数料無料で反映が早いことが多く、すぐに仮想通貨を購入したい場合に便利です。
入金後は、取引所の画面で簡単な操作をするだけで、ビットコインなどを購入することができます。
仮想通貨の購入
入金が反映されたら、実際に仮想通貨を購入できます。
取引所形式の場合は「指値注文（価格を指定）」や「成行注文（価格を指定せず即購入）」といった注文方法を選べます。
販売所形式では、表示された価格でボタンを押すだけで購入でき、初心者でも直感的に操作可能です。
購入した仮想通貨は、取引所の口座内に保管され、いつでも売却して日本円に戻すことができます。
仮想通貨取引所のメリットとデメリット
仮想通貨取引所には、初心者でも簡単に仮想通貨を購入できるという利点があります。
一方で、サービス内容や安全性は取引所ごとに大きく異なるため、デメリットも理解した上で利用することが重要です。
ここでは、取引所を利用する際に押さえておきたいメリットとデメリットを整理して紹介します。
仮想通貨取引所のメリット
仮想通貨取引所のメリットは、何よりも 手軽に仮想通貨を売買できること です。
アプリをダウンロードし、口座開設と入金を済ませれば、誰でもすぐにビットコインなどを購入できます。
また、取引所形式であれば流動性が高く、希望に近い価格で取引できる点も大きな利点です。
さらに、国内取引所であれば日本円に対応しており、金融庁の監督下にあるため 安心して始められる環境が整っています。
仮想通貨取引所のデメリット
仮想通貨取引所のデメリットとしてまず挙げられるのが、ハッキングリスクです。
過去には海外・国内問わず、大規模な流出事件が複数発生しており、取引所に資産を預けっぱなしにしていると被害を受ける可能性があります。
また、販売所形式で取引すると スプレッド（実質手数料）が高くなりやすい ため、売買を繰り返すとその分コストが膨らみます。
加えて、海外取引所は金融庁の保護対象外のため、もしトラブルが発生しても救済されない可能性があります。
初心者が取引所を選ぶ際のポイント
仮想通貨取引所を選ぶときは、「なんとなく知名度が高いから」という理由だけで決めないことが大切です。
取引所ごとに手数料や取り扱う通貨、セキュリティ対策などが大きく違うため、初心者こそ慎重に比較する必要があります。
ここでは、選ぶ際に必ず確認しておきたいポイントを整理して紹介します。
1.金融庁に登録された国内取引所か確認
まず最も重要なのは、金融庁に登録された国内取引所かどうかです。
金融庁の認可を受けている取引所は、利用者の資産を分別管理したり、不正アクセス対策を徹底する義務があります。
万が一トラブルが起きても一定の保護が期待でき、初心者でも安心して利用できる環境が整っています。
特に仮想通貨を初めて触る場合は、必ず国内の登録済み事業者を選びましょう。
2.取扱っている通貨の種類を確認
次に確認すべきなのは、取り扱っている通貨の種類です。
ビットコインやイーサリアムといった主要通貨はほとんどの取引所で扱われていますが、アルトコイン（草コインなど）の対応状況は取引所ごとに大きく異なります。
今後取引したい通貨や、気になっているプロジェクトの通貨がある場合は、その通貨が取扱対象かを事前にチェックしておくことが大切です。
3.手数料と操作性（つかいやすさ）を確認
続いて注目したいのが、手数料と使いやすさです。
特に、販売所形式では「スプレッド」が広く設定されている場合が多く、買った瞬間に評価額が下がってしまうこともあります。
また、アプリの操作性も取引所によって大きく異なるため、実際の画面を確認しながら「初心者でも迷わず買い操作ができるか」をチェックすることが大切です。
最初は少額で売買して、手数料感覚を掴んでおくと安心です。
4.セキュリティ対策がしっかりしているか確認
最後に重要なのが、セキュリティ対策です。
二段階認証の導入や、暗号資産をインターネットから隔離して保管する「コールドウォレット」の採用状況などを確認しましょう。
また、過去にハッキング被害を起こしていないか、資産補償体制があるかもチェックポイントです。
安全に資産を保管できる取引所を選ぶことが、安心した投資の第一歩となります。
まとめ：仮想通貨取引の仕組みと注意点をよく知り、安全な取引を行うべし！
仮想通貨取引所は、ビットコインなどの暗号資産を売買するための「市場」です。
国内取引所と海外取引所があり、手数料や安全性、使いやすさは取引所ごとに大きく異なります。
初心者が取引所を選ぶ際は、
- 金融庁登録済みであること
- 取り扱い通貨の種類
- 手数料と操作のしやすさ
- セキュリティ対策の充実度
などをしっかり比較することが大切です。
まずは少額の購入から始めて、取引の流れや手数料の感覚を掴みながら、安全に仮想通貨の世界へと第一歩を踏み出しましょう。
